機関誌「花みずき」

在宅療養最新の事情

院長 大頭 信義

◇ 私たちの在宅療養チームは
 定期の在宅療養支援には、4名のチームで出かけています。看護師1名、薬剤師1名、医師1名、そして車のドライバーの合計4名となります。
30年前にクリニックを開設した当初から在宅を始めましたが、その頃から変わらぬ4名構成です。

◇ 看護師の役割は
 申すまでもなく、看護師には重要な必須の職務が沢山あります。医者と一緒に患者の話を聴いた後、医者とともに全身の観察をし、患者の療養の様子を独自の立場で尋ねたり、家族からも様々な情報を聴き出します。
患者や家族は、医者に伝えにくい内容の話や身体の問題を、看護師には話しやすいということがしばしばあるようです。診察の後もその場に残って、あるいは別室で、看護師は患者や家族からの相談にのっています。細々とした難題をもちかけられていることもよくあります。
その他にも、看護師の業務は多忙です。往診に伴う器具や検査機器の準備があります。患者がきちんと服薬できているかどうかのチェックがあります。患者の精神状態のチェックも重要です。また、家族の健康状態をはじめとした、療養環境の様子も知る必要があります。
そして、クリニックに帰ってからもその日の検査の整理やこれからの計画などを、中心的にこなしてくれています。
また日常的に、患者や家族からの療養に伴う質問や依頼に適切に対応してくれていますし、必要に応じて看護師独自の訪問看護にもと、忙しい時間を送っています。

◇ 薬剤師も同行して
 クリニックからの往診は、クリニックの開設と同時にスタートしましたが、薬剤師(ぼうしや調剤薬局さんより)も在宅へと一緒に出向いてくれています。これは医者にとって、大助かりです。
患者宅で、新しい症状が出現した場合に、適切な薬剤の相談がその場でできます。薬剤師自身も現場にいて、その様子を観察し、診察に立ち会いますから、その後薬局に帰ってからの薬剤の選択がスムーズに進行します。
薬剤服用の注意点などについても、現場にいてこその説明を
的確にやりやすくなります。

◇ 医者も安心
 このように看護師や薬剤師という診療の必須のスタッフは、いつも同行し、患者や家族と話し合い、適切な治療についてその場で相談することができるという重要な役割を担い、主治医にとっても大きな頼りがいのある支援の力となります。これからも、このチームワークの力を大切にしたいと考えています。

◇ さて、肝心の患者・家族側の様子は
 在宅療養は、なんと言っても患者と家族のための医療実践の形です。医療の中で、それが患者や家族のために大いに役立たなければ意味がありません。この面の検討が大切です。

 本年11月30日現在のクリニックの在宅療養者の数は62名です。この数は、常に変動がありますが、今年の最大数は、70名を少し超えた頃もありました。
現在、最高年齢の方は、102才の方が2名。2人ともにサービス付き高齢者住宅での暮らしですが、トイレにゆっくり歩いて行くくらいで、ほとんどベッド上の生活です。食事もベッドでです。ただ、聴力が良く、訪問すると陽気に会話をして下さいます。驚くのは、お一人が普通の商業新聞を1紙、自分で代金を払って購読しておられることです。そのため、社会のニュースもよくご存じです。
最も若い方は、30才台で、もう10年以上在宅にお邪魔しています。
在宅での療養は、70才台から増え始めて、80才台が最も多くなるというデータには、頷ける方が多いのではないでしょうか。90才台も結構多いですね。