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第32回 播磨とともに歩むケアと医療を考える会
だいとうクリニック院長の司会により、5名のシンポジストの発表と質疑応答が行われた。会場には患者会や医療関係者、ボランティアなど42名が参加した。
《内容》
1. 患者会「さくらんぼクラブ」の取り組み
姫路医療センター さくらんぼクラブ 患者代表 岡本 奈津子さん
2007年に乳がん患者の遺族(ご主人)が、さくらんぼクラブを立ち上げた。毎月第4金曜日、姫路医療センターのがん相談支援室にて、発足当初は5~8人前後、今は10人前後で、2部屋を使い、参加者が自由に話す場と手作業(アート製作)を行う場を設けている。
また、同じがん種の人と話したいとの要望があり、2011年7月1日乳がん患者の有志で「お粥の会」を結成した。
さくらんぼクラブの活動は、パンフレット、ルールブック製作、“がん医療フォーラム2011”への参加、院内に会報を掲示、ホームページへの掲載などである。参加者からは「来るだけで元気になる」「もっと個々の体験を深く聞きたい」「がん患者の家族の会をしたい」などの声があり、今後続けていくためには、居酒屋でいうと「なじみ客」だけでなく「一見さん」や「旅の人」にも入りやすい店づくりをめざしている。
2. がん療養相談「あじさい会」と「がんサロン」
あじさい会代表 去来川 節子さん
2002年5月より、がんを中心とした疾患に関する電話相談を受け、スタッフは研修会や公開講座を明石・姫路・神戸で開催し、がん患者へのサポートを行っている。当患者会は隔月第4土曜日に行い、2004年3月よりホスピスデイサービスを開催、絵手紙をしている。この会はおしゃべりに花が咲き、お互いの悩みを話し、近況報告をする。元気な人にはわかってもらえぬことも、患者同士なら共感できる。
「がんサロン 花みずき」の紹介: だいとうクリニック1階にて、2011年8月8日にオープン。本やインターネットをみるコーナー、マッサージ機を利用できる個室、ゆっくりとお茶を飲んでいただけるフロアーがある。今後は、絵手紙教室、デイサービス、憩い・集いの場(音楽療法・呼吸法・勉強会)、買い物など疲れた時の休憩場所、家族の買い物を待つ時間の利用、情報提供の場としたい。まだ軌道に乗っていないが。。。
3.二つのがん患者サロンとの関わり「明石話そう会」と「明石楽しもう会」
がん患者グループ「ゆずりは明石」 事務局 草野 郁子さん
「ゆずりは明石」は2004年8月、患者・家族・医療関係者7人で発足。年会費2000円。奇数月に会報を発行。2008年2月に「家族会」を発足させ、年2~3回活動。2009年6月に「明石話そう会」を開設。2010年6月には「明石楽しもう会」を開設。
活動の目的は、がん患者と家族同士の交流の場とし、療養に必要な知識と情報を提供すること。QOL(生命・生活の質)の向上を図り、がんに関して社会への啓発活動を行うこと。特に、患者さんのQOLの向上について考えている。
「明石話そう会」は、2009年2月に島根県松江日赤のがんサロンを見学し、県庁で島根県のがん対策を聞き、6月に始まった。特定の宗教・政治には関わらないなどの約束事を決め、治療に関してというより、むしろ生き方の問題やお金の問題などを話し合っている。
「明石楽しもう会」は、第2水曜日に明石市市立保健センター運動指導室でラフターヨガとタッピング、歌声カフェ、折り紙、タオルの帽子作り、4月にはお花見、10月には旅行、天文科学館星座めぐりなど行っている。
ちなみに「ゆずりは」は、新しい葉が生長してから古い葉が譲って落ちると云うことから命名した。
4. たんぽぽの会
製鉄記念広畑病院 たんぽぽの会 がん看護専門看護師 松本 仁美さん
当会は2000年12月に、36歳のある乳がん患者の悩み(母乳を与えるか与えないかなど)に賛同した人とともに、産声をあげた。たんぽぽのように黄色はパワーを感じる色で、踏まれてもどんなやせた土地でも、元気に花を咲かせていく力強さをイメージして名付けた。入会資格は、がんの人と家族。協力者は、がん看護専門看護師・緩和ケア認定看護師・がん化学療法看護認定看護師・がん看護の研修を受けた看護師。禁止事項は、民間療法や宗教の勧誘、他人の信条や信念に対する批判、個人情報を公表すること、他人の意見に耳を傾けない意見の押し付け、他人を批判すること。
春になると夢前川の河川敷でお花見をして、「今年も桜が見れる」と思う。またメイクセラピスト講習を受けたり、ハンドマッサージを受ける。男性患者には、その様子を写真撮影する人もいる。自分が食べられる物を持ち寄り、忘年会や新年会をする。温泉旅行・ホスピス見学・紅葉狩り・カラオケをする。また、フリーマーケットで資金をつくり、情報収集にも抜かりはない。先輩サバイバーは後輩サバイバーに関わりながら、アドバイスすることもある。
5. 島根「第2回がん患者サロン研修会」に参加して
だいとうクリニック院長 大頭 信義
H23.9.17~18、島根益田赤十字病院にて研修会に参加した。島根にはすでに25施設あり、病院内のサロンが11団体、院外が14団体であった。がんサロンの役割としては、(1)患者・家族の交流 (2)心のケア (3)療養上の情報提供 (4)がんの病態、治療法などの学習会 (5)行政への提案行動、がある。
がんサロンで解決できればよいと思われる悩みとしては、(1)抗がん剤から、撤退するか (2)病院の治療から離れるか (3)「病院から在宅へ」をどう実現するか (4)地元へ帰って、ホスピスか、在宅をか (5)新たな医療機関を探すか (6)改めて、生活全般を見直すこと (7)どこで療養するのがよいのか、がある。
病院とホスピス、在宅の間を埋める方法として、拠点病院にはがんサロンを置かないといけなくなってきた。しかし療養後期には参加できなくなるのではないか。
クリニックでは月・水・金曜日の10:00~13:00に看護師、ボランティアが参加して、書籍、CD、インターネットからの情報を得る環境をつくっている。どなたにもオープンにしている。運営は、医療者側よりむしろ患者、家族、ボランティアによるのがよい。
がんサロンに関して、今後の討論予定の項目は、
・セカンドオピニオンを受けたことがあるか。
・抗がん剤治療では、何に迷ったか。
・病院から突き放されたという思いをしたか。
・代替医療をどうやって選ぶこととしたか。
・療養前期、後期で困ったこと。
・ホスピスの利用において、何に困ったか。
・東日本の災害を見て、療養する者として思ったこと、などがある。
《最後に》
質疑応答では、時間が足りなくなるほど活発な意見が交わされた。がんサロンについては、引き続き来年5月にも取り上げたい。
次回は来年2月に、がんから離れたテーマを取り上げる予定である。
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